交通事故に遭ったときには、加害者に対して慰謝料請求できますが、慰謝料はどのようにして計算するものかご存知でしょうか?
加害者の保険会社から提示された慰謝料の金額が適正かを判断するためにも、慰謝料の計算方法を理解しておくべきです。
以下で早速みていきましょう。
3種類の交通事故の慰謝料
交通事故の慰謝料には、以下の3種類があります。
- 入通院慰謝料
- 後遺障害慰謝料
- 死亡慰謝料
それぞれ計算方法が異なるので、順番に確認しましょう。
入通院慰謝料
入通院慰謝料とは、交通事故でケガをしたことに対する慰謝料です。
入通院した期間に応じて金額が決まります。入院期間の慰謝料は通院期間の慰謝料より高額になります。
基準となる慰謝料の金額は以下の通りです。
15か月を超えて治療した場合、入院期間については1月6万円、通院期間については1月2万円増額されます。
後遺障害慰謝料
後遺障害慰謝料は、交通事故で後遺障害が残ったケースにおいて認められる慰謝料です。
後遺障害にはさまざまなものがあるので、程度や内容に応じて「等級」がつけられます。
そして、後遺障害慰謝料は、認定された後遺障害の等級に応じて計算されます。
程度の重い後遺障害の場合、慰謝料も上がります。
具体的な数字は、以下の通りとなります。
たとえば、むちうちになったときに認定される後遺障害の等級は12級または14級ですが、12級が認められると290万円の後遺障害慰謝料が支払われ、14級が認定されると110万円の後遺障害慰謝料が支払われます。
死亡慰謝料
死亡慰謝料は、交通事故で被害者が死亡したときに発生する慰謝料です。
交通事故で被害者が死亡すると、被害者はその瞬間に強い精神的苦痛を受けて慰謝料が発生し、それがそのまま相続人に相続されると考えられています。
そこで、交通事故で被害者が死亡すると、遺族は加害者に対して死亡慰謝料を請求できます。
死亡慰謝料の金額は、被害者に被扶養者がいたかどうかなどによって変わります。
具体的な金額の相場は以下の通りです。
被害者の立場 | 死亡慰謝料の金額 |
---|---|
一家の支柱 | 2800万円 |
母親、配偶者 | 2500万円 |
その他 | 2000万円~2500万円 |
たとえば一家の大黒柱の男性が死亡したときの死亡慰謝料は2800万円程度となりますし、被扶養者の妻が死亡したら2500万円程度、独身の男女や子どもなどが死亡事故に遭ったケースでは、状況に応じて2000~2500万円程度となります。
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弁護士基準と任意保険基準、自賠責基準について
以上でご紹介した慰謝料の計算方法は、すべて「弁護士基準」で計算したものです。
弁護士基準とは、弁護士が示談交渉をしたり裁判所が判断したりするときに利用する賠償金計算基準で、法的な根拠のあるものです。
慰謝料を計算する基準としては、他に任意保険基準、自賠責基準があります。
被害者が自分で任意保険会社と示談交渉をすると、低額な任意保険基準などをあてはめられて慰謝料が減額されることが多くなりますが、正確に慰謝料を計算するには弁護士基準を使う必要があります。
もしもご自身で示談交渉をされていて、相手の保険会社から低額な慰謝料の提示を受けている場合、任意保険基準をあてはめられており、慰謝料が正確に計算されていない可能性があります。
安易に応じてしまって慰謝料を減額されては不利益が及びますので、慰謝料の金額に疑問があるならば、お早めに弁護士までご相談下さい。