交通事故の被害に遭ったら、怪我をしたり後遺障害が残ったりして、被害者は大きな精神的苦痛を受けるものです。
加害者に慰謝料請求することができますが、損をしないためには、慰謝料の相場がどのくらいになるのか知っておく必要があります。
今回は、交通事故の慰謝料相場を調べる方法をご紹介します。
交通事故の賠償金計算基準の種類
交通事故の慰謝料の相場を調べるためには、慰謝料の計算基準をあてはめて、ケースごとに発生した慰謝料の金額を計算する必要があります。
交通事故の慰謝料の計算基準には、自賠責基準と任意保険基準と弁護士基準の3種類があります。
自賠責基準は、自賠責保険が保険金を計算するときに利用する基準です。
任意保険基準は、任意保険会社が被害者と示談交渉をするときに利用する基準です。
弁護士基準は、弁護士が示談交渉をするときや裁判所が判決を書くときに利用する基準です。
それぞれ計算方法が異なり、計算された慰謝料の金額も大きく変わってきます。
交通事故の被害者としては、それぞれの基準を知っておき、もっとも高い慰謝料額となるよう示談交渉していくことが大切です。
自賠責基準を調べる方法
まずは、自賠責基準を調べる方法をご紹介します。
自賠責基準による支払基準については、金融庁と国土交通省が発表しています。
http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/resourse/data/kijyun.pdf
基本的に、こちらの資料を見て自分のケースに応じてあてはめれば、支払われるべき自賠責保険金の相場を確認できます。
任意保険基準を調べる方法
任意保険基準は、各任意保険会社が独自に定めているので、加害者の任意保険会社によってまちまちです。
また、社外に発表しているものではないので、正確に調べることは難しいです。
ただ、自賠責基準よりも、多少高い数字になっていることが多く、次に説明する弁護士基準よりは低い金額になるのが通常です。
そこで、交通事故の被害者としては、任意保険会社から示談金を提示された時に、すぐに印鑑を押さないことが大切です。
その金額は、本来もらえる額より低いかもしれないからです。
弁護士基準を調べる方法
交通事故の慰謝料を正確に調べたいなら、もっとも重要なものが弁護士基準です。
弁護士基準を適用すると、法的に適正な金額の慰謝料を計算できますし、金額的にも高額になります。弁護士基準を調べるには、以下のように対応しましょう。
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本で調べる
まずは、本で調べる方法があります。
日弁連交通事故相談センターが発行している「赤い本」や「青い本」には、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料の各種の慰謝料計算基準が掲載されています。
赤い本とは「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」のことで、日弁連交通事故相談センター東京支部が発行しています。
青い本とは「交通事故損害額算定基準」のことで、日弁連交通事故相談センター本部が発行しています。
どちらも一般の方でも購入可能ですが、東京地裁や東京地裁の基準が適用される地域であれば、赤い本を購入するのが良いでしょう。
窓口で購入することも可能ですし、FAXで申込みをして配送してもらうこともできます。
http://www.n-tacc.or.jp/solution/book.html
弁護士に相談する
慰謝料を調べる方法としては、弁護士に相談することも効果的です。
上記のように「交通事故の本で調べる」とは言っても、本を読むのが苦手な方もおられますし、上記で紹介した本は弁護士などの実務家向けのものですから、被害者の方が自分一人では正確に読み解けないケースもあります。
せっかく本を買っても、うまく活用できなければ意味がありません。
弁護士であれば、法的な基準をあてはめて正確に慰謝料の金額を計算し、相談者に伝えることが可能です。
また、慰謝料の計算方法やその他の問題点について不明な点があれば、弁護士に質問をして答えを得られます。
弁護士に相談すると、費用がかかると思われているケースもありますが、交通事故の無料相談を実施している弁護士事務所もたくさんあります。
被害者が自分で加害者の保険会社と示談交渉をすると、弁護士基準より大幅に賠償金を減額されて、正当な金額の慰謝料を支払ってもらえないことが非常に多いです。
適切な慰謝料の相場を把握するため、まずは弁護士に相談するのがよいでしょう。