交通事故の死亡事故・後遺障害被害者の質問に回答
交通事故弁護士相談Q&A|みらい総合法律事務所

交通事故で経営者の休業損害について

2014年06月20日

信号待ちで停車中に、後方からの自動車に追突される事故に遭いました。

私は従業員20名ほどの会社を経営していますが、事故後1週間入院し、その後も1ヵ月くらいはまったく働くことができない状態でした。その後も通院のため、思うように働くことができませんでした。

そのため、私の代わりに営業などを任せられる人物を新たに雇い入れなければなりませんでした。売上も明らかに減少しました。

しかし、雇用費用や売上の減少分を保険会社に請求しても、応じられないとの回答で、納得がいきません。これは仕方がないことなのでしょうか?

弁護士からの回答

会社の代表者や社員が交通事故によって受傷し、そのために代わりの人を雇用したり、売上げが減少したような場合、会社が加害者側に損害の賠償請求ができるかについては争いがあります。

このうち、代わりの人を雇用した場合の雇用費用については、受傷した方(代表者、社員)の休業に関する損害との関係が問題となり、受傷した方が、休業期間に報酬、給料をもらっていなかった場合は、会社として代わりの人を雇用した費用の請求が認められにくい傾向にあります(受傷した方は、報酬、給料等をもらえなかったことについて休業損害を請求することになります)。

また売上が減少したことについての損害が認められるかは、会社が、被害者の方(代表者)と経済的に一体かどうかによって判断されるとされています。

具体的には、法人ではあるものの、実質的には社長の個人会社であったり、従業員が社長のほかに誰もいないか極めて少なく、代わりの人がいないというような事情が判断されます。

詳しくはその他の事情を元に、裁判をしてみないと分かりませんが、ご相談の件では、従業員20名ほどということなので、認められない可能性も高いと思われます。

いずれにせよ、このように高度の専門的判断が必要ですので、詳しくは、弁護士等の専門家へご相談されることをお勧めします。

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