交通事故の死亡事故・後遺障害被害者の質問に回答
交通事故弁護士相談Q&A|みらい総合法律事務所

69歳女性の交通事故慰謝料額について

2014年06月25日

69歳の母親が、道路を横断中(横断歩道上を青信号で渡っていた)に、わき見運転をしていた右折自動車にひかれ、死亡しました。

保険会社は、損害賠償の合計額を約2000万円で計算してきましたので、少ないのではないかと主張したのですが、弊社の基準です、と言われただけで、話し合いに応じる気はないようです。

母は専業主婦だったので、収入はありませんが、2000万円という金額は妥当なのでしょうか?アドバイスいただければ幸いです。

弁護士からの回答

死亡事故の場合に加害者に対して請求できる損害としては,一般的に以下のものが考えられます。

①治療費
②葬儀関係費
③死亡慰謝料
④死亡逸失利益

ここで,①治療費については,現実に支出した金額を請求することになりますが,通常は保険会社の方で支払がなされているかと思いますので,2000万円という金額が妥当かどうかの判断にあたり,②~④の損害額を検討します。

②葬儀関係費について

原則として上限を150万円とし,現実に支出した金額が150万円を超えた場合には,150万円の限度で認められます。

他方,150万円を下回る場合には,現実に支出した金額の限度で認められます。

③死亡慰謝料について

実務上は,被害者の方がどのような立場だったのか等によって,一応類型化されています。

具体的には,一家の支柱の場合には,2800万円
母親,配偶者の場合には,2400万円
その他(独身の男女,子供,幼児,高齢者等)の場合には,2000万円~2200万円
となっております。

本件では被害者はお母様とのことなので,上記の類型によれば2400万円に該当しそうですが,被害者がご高齢の方ですと,2000万円くらいまで下げられしまう傾向があります。

そのため,本件でも慰謝料は2000万円前後が基準になると考えます。

もっとも,事故態様が悪質であった場合や加害者の事故後の態度が著しく不誠実な場合等には,死亡慰謝料が増額されることもあります。

事故態様等の詳細につきましては,刑事記録を取り寄せて確認する必要がございますが,本件では,青信号で横断歩道を横断中であるにもかかわらず,事故に遭われており,加害者のわき見運転が原因とのことですので,事故態様が悪質であるとして増額される可能性は高いと思います。

④死亡逸失利益について

本件のように専業主婦で現実の収入がなかったとしても,原則として,家族や同居人等第三者のために家事労働を行っていたのであれば,家事労働部分についての逸失利益が認められます。

具体的な金額については,誰と同居し,どのような家事を行っていたのか等によりますが,本件では1000万円を超える金額になる可能性は十分あります。

また,69歳ということで年金を受給されている場合には,年金部分についての逸失利益も別途認められます。

以上より,村山様の場合には,損害額としては,少なくとも死亡慰謝料だけでも2000万円を超えますので,損害賠償額の合計を約2000万円とする保険会社の提示額は低額であると考えます。

この相談を見た人はこちらも見ています

交通事故の弁護士無料相談

交通事故の後遺障害1級~14級・死亡事故のご相談は無料です

交通事故の慰謝料自動計算機