交通事故の死亡事故・後遺障害被害者の質問に回答
交通事故弁護士相談Q&A|みらい総合法律事務所

学生や幼児などが交通事故により死亡した場合、死亡逸失利益はどのように算定しますか?

2014年08月17日

逸失利益を算定する場合、生きていれば将来得られていたはずの収入を基礎収入としますが、被害者が学生や幼児の場合、将来の収入額を算定するには困難が生じます。

そこで、平成11年11月22日に、東京・大阪・名古屋の各地方裁判所交通部裁判官による「交通事故による逸失利益の算定方式についての共同提言」(三庁共同提言、判例時報1692号162頁、判例タイムズ1014号62頁)が出され、逸失利益算定の指針となりました。内容は以下の通りです。

(共同提言の骨子)

A 交通事故による逸失利益の算定において、原則として、幼児、生徒、学生の場合、専業主婦の場合、及び、比較的若年の被害者で生涯を通じて全年齢平均賃金又は学歴平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められる場合については、基礎収入を全年齢平均賃金又は学歴別平均賃金によることとし、それ以外の者の場合については、事故前の実収入額によることとする。

B 交通事故による逸失利益の算定における中間利息の控除方法については、特段の事情のない限り、年5分の割合によるライプニッツ方式を採用する。

C 上記のA及びBによる運用は、特段の事情のない限り、交通事故の発生時点や提訴時点の前後を問わず、平成12年1月1日以降に口頭弁論を終結した事件ついて、同日から実施する。

【計算】

 計算式は、原則として下記のようになります。

学歴計の男女別あるいは全労働者平均賃金 × (1-生活費控除率) × (67歳までのライプニッツ係数-18歳までのライプニッツ係数)

たとえば、被害者が3歳の男児である場合の死亡逸失利益の計算は次のようになります。

5,267,600円×(1-0.5)×8.7394=23,017,832円

※5,267,600円・・平成23年男性学歴計全年齢平均賃金

※0.5・・・・・・・・・男性の場合の生活費控除率

※8.7394・・・・・・67歳までに対するライプニッツ係数(19.1191)から18歳までに対応するライプニッツ係数(10.3797)を引いたライプニッツ係数

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