後遺障害逸失利益とは、後遺障害を負ったことにより、労働に支障が生じて収入が減少するために失われる利益のことです。
したがって、労働に影響がまったくない場合には、収入の減少もないため、原則として逸失利益は認められないと考えます。
この点、腸骨移植術による治療によって変形障害が残存したとしても、労働に影響がない場合もあり、その場合には、逸失利益は認められない可能性があります。
ただし、労働になんらかの影響があるという場合には、その内容を具体的に主張立証していけば、ある程度の労働能力の減少が認められ、逸失利益が認められる可能性もあるでしょう。
あるいは、逸失利益が認められないとしても、交通事故によって、自分の骨を採取し、変形障害という障害を負ったことに対する精神的・肉体的苦痛に対し、慰謝料の増額を請求する、という方法もあると思います。