交通事故の死亡事故・後遺障害被害者の質問に回答
交通事故弁護士相談Q&A|みらい総合法律事務所

保険会社から過失相殺を主張されています。

2013年08月05日

交通事故の被害者です。
警察からは、「あなたの過失はありません」、つまり過失0と言われていたのですが、示談交渉になってから、保健会社から過失は80対20、つまり私の過失が20%と主張されています。
警察が過失ゼロだと言ってくれているのに、こんなことがあるのでしょうか?

弁護士からの回答

交通事故は,そもそも加害者側の故意又は過失に基づいて発生しますから,加害者側に過失があることは当然です。

しかし,追突事故や信号無視,センターラインオーバーなどを除いては,被害者側において,事故の原因について何らかの関与が認められてしまいます。

例えば,青信号で交差点に進入する際,反対車線からの右折車がいれば,やはり注意して進入すべき,ということになります。

相手が完璧な判断をして右折してくることを信頼してよい,ということにはならないでしょう(もちろん具体的な状況次第では,過失が0になる可能性もあります)。

そこで,交通事故が発生した場合に,当事者双方の過失割合をどのように判断するのかが問題となります。

この点,実務においては,多数の交通事故を公平かつ画一的に処理するために,事故態様ごとに過失割合が定型化されています。

そして,裁判所も弁護士も保険会社も,東京地裁民事交通訴訟研究会編の「別冊判例タイムズ16号 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」という本をもとに過失割合を判断しています。

具体的には,上記判例タイムズのどの態様にあてはまるのか,どのような修正要素があるのか,という事故態様の確定作業を行い,確定した事故態様から過失割合を導くことになります。

つまり,過失割合は,警察や保険会社が何%と言っていたかではなく,どのような事故態様だったのかによって決定されるのです。

したがって,シゲハラさんのご質問にように警察が0と言っていても,事故態様によっては過失が認められることもあります(なお,民事事件においては,裁判所が証拠に基づき過失割合を判断しますので,警察の0という発言には何ら法的な拘束力はありません)。

もちろん,反対に,保険会社側が過失は20%と主張していても,事故態様によっては10%が妥当であったり,0という場合もあります。

なお,事故態様を確定するためには,刑事記録等をもとに事故現場や事故状況を詳細に確認する必要があり,専門性のある判断を要しますので,弁護士に直接面談相談(電話やメールではイメージをつかみにくいため)されるのが一番よいかと思います。

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