交通事故の死亡事故・後遺障害被害者の質問に回答
交通事故弁護士相談Q&A|みらい総合法律事務所

死亡事故で有利に交渉するには?

2014年02月19日

姉35歳が、交通事故で亡くなりました。死亡事故です。これから家族一丸となって保険会社と示談交渉を始めようと思っているのですが、保険会社と有利に交渉を進めるには、どうしたらよいでしょうか?

ちなみに、姉は交差点の横断歩道を歩いていた時に、信号無視の車にはねられ、即死でした。加害者を絶対に許せません。

加害者は逮捕され、執行猶予判決が出ています。

弁護士からの回答

死亡事故,特に即死の場合には,治療行為も後遺障害も発生しないため,死亡によって即時に損害額が確定し,その損害額について示談交渉が行われていくことになります。

そのため,保険会社と有利に交渉を進めるために重要なことは,適切な損害額の算定とその損害額を裏付ける証拠(領収書等)の確保です。

そして,適切な損害額の算定のために,まずは刑事記録で事故状況を正確に把握することが重要です。

なぜなら,事故状況によっては,被害者の方に過失が生じ,損害額が減額されるおそれがあるからです。

さらに,事故状況は,過失の判断だけでなく慰謝料に影響を与えることもあります。

具体的には,信号無視や居眠り・酒気帯び運転といった悪質な事故態様の場合には,慰謝料の増額事由に該当する可能性があります。

そのため,刑事記録を取り寄せ,事故状況を把握するとともに慰謝料増額事由がないかという点も確認することが重要です。

なお,刑事記録は,加害者にどのような刑事処分が下されたかによって,閲覧・謄写できる範囲が異なってきます。

加害者が起訴された場合には,通常,実況見分調書の他に,加害者本人の供述調書や目撃者がいる場合には目撃者の供述調書まで開示されますが,不起訴の場合ですと,供述調書は開示されず,実況見分調書の開示のみにとどまります。

ご質問の事故状況は,横断歩道を歩行中に信号無視の車にはねられたというそれだけでも悪質な事故態様ですが,保険会社との交渉に先立ち,刑事記録を取り寄せ(起訴され執行猶予判決が出ているとのことですので,事故状況を詳細に把握することが可能です),さらに慰謝料を増額させる事由がないかどうかを確認した方がよいでしょう。

なぜなら,信号無視は正常に運転している状況では生じにくいため,何らかの信号無視に至った事情(居眠り等)があると考えられるからです。

そして,慰謝料増額事由がある場合には,その点も考慮した上で,適切な損害額を算定し,保険会社に対し損害を裏付ける証拠を示しながら交渉すれば,有利に進めていくことができると考えます。

もっとも,適切な損害の主張をしているにもかかわらず,保険会社が支払を渋ることも多々あります。

そのような場合には,速やかに弁護士に相談された方が早期解決につながるかと思います。

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