神奈川県の会社員です。12歳の息子が自転車に乗っていたところ自動車事故に遭い、脳挫傷で高次脳機能障害となりました。後遺障害等級5級2号と認定されました。
現在、加害者側の保険会社と示談交渉をしていますが、現実問題として大変ストレスを感じています。早く示談を済ませてしまいたいと思うのですが、納得いかないため、交渉が長引いています。やはり交通事故に強い弁護士さんにお願いしたほうがいいのでしょうか? また、依頼するタイミングはどの段階が適切でしょうか?
まず、依頼する弁護士については交通事故に強い弁護士の方がよいかというご質問についてご回答致します。
結論としては、交通事故に強い弁護士に依頼して頂いた方がよいかと思います。
なぜなら、交通事故に強い弁護士でないと、①後遺障害等級認定の妥当性、②賠償額の妥当性について、適切な判断が出来ないからです。
ご子息は後遺障害等級5級2号と認定されたということですが、この等級認定が妥当か否かをまず判断する必要があります。
自賠責の後遺障害等級の認定が妥当か否かを判断し、等級が不当な場合にはどのような資料を追加すれば上位等級が狙えるのかは、ある程度の医学的知識や自賠責の後遺障害等級の認定システムを把握していることが必要になります。
これは交通事故を専門としていないとなかなか困難です。
加えて、脳外傷による高次脳機能障害については、後遺障害の中でも複雑な後遺障害になりますので、交通事故を専門としている弁護士でないと適切なアドバイスはできないかと思います。
また、賠償額の点についても、交通事故においては、治療費、通院交通費、入院雑費、入通院付添費、傷害慰謝料、後遺障害慰謝料、逸失利益と様々な項目がある上、5級の高次脳機能障害であれば、右損害に加えて、将来介護費や家屋改造費等、通常の後遺障害では認められない損害が認められる可能性もあります。
これらを漏れなく請求し、かつ、上記賠償が認められるためには、どのような主張、立証をすればよいかについては、やはり交通事故を専門としている弁護士でないと適切なアドバイスはできないかと思います。
次に、依頼するタイミングですが、既に等級が認定されているのであれば、現段階でご依頼された方がよろしいかと思います。
交通事故の賠償額は、等級に応じて、異なってくるため、等級認定前の場合には、賠償額の算定を行うことができず、交渉を進めることができないのですが、等級認定後であれば、賠償額の算定が可能になります。
そして、弁護士が入ることにより、示談交渉がスムーズに行われる可能性が高いですし、なにより自分が交渉しなければならないというストレスから解放されることになります。
そのため、なるべく早い時点で弁護士へご依頼された方がよろしいかと思います。