交通事故の死亡事故・後遺障害被害者の質問に回答
交通事故弁護士相談Q&A|みらい総合法律事務所

脳挫傷の慰謝料の計算方法

2014年05月15日

64歳の母が千葉県の県道で車にひかれ、頭を強く打ちました。

急性硬膜下血腫と脳挫傷で後遺障害等級1級1号と認定されてしまいました。

加害者側の保険会社の説明に納得がいかず不服なため、示談はしていません。

交通事故に強い弁護士さんを調べて、こちらのサイトにきました。

慰謝料を含めて、損害賠償額はどのくらいが適切なのか知りたいです。

逸失利益や過失相殺など難しいことが多いし、今後の介護の問題もあるので、やはり弁護士さんに依頼したほうがいいだろうと考えています。

弁護士からの回答

請求することのできる損賠賠償項目としては、①治療費、②入院雑費、③入通院付添費、④通院交通費、⑤休業損害、⑥傷害慰謝料、⑦逸失利益、⑧後遺障害慰謝料、⑨将来介護費用、⑩家屋改造費等があります。

①治療費

必要かつ相当な実費について請求できます。

②入院雑費

入院1日につき1500円を請求することができます。

③入通院付添費

医師の指示、あるいは受傷の部位、程度、被害者の年齢などから付添が必要であれば相当な限度でみとめられます。

付添音必要性については、医師の指示があれば明確ですが、多くの医療機関においては完全看護制度が前提となっているため、医師の証明がサなれないことが多いです。

もっとも、この場合でも、脳挫傷のような重篤な症状であり、身体の自由がきかない状態の場合では、付添費用が認められることが多いです。

付添費用については、
入院付添費は、1日につき6500円
通院付添費は、1日につき3300円
が基準となっていますが、付添内容次第では減額されることもあります。

④通院交通費

必要かつ相当な実費について請求できます。

⑤休業損害

(計算方法)休業日額×休業日数

お母様は、事故当時お仕事はされていなかったと思いますが、もし、同居のご家族がおり、同居のご家族のために家事労働を行っている場合には、賃金センサスの女性労働者の平均賃金を得ていたことを前提に算定されますが、ご高齢の方の場合には、平均賃金の8割程と算定されることが多いです。

そのため、休業損害日額は、
354万7200円×0.8÷365日≒7775円となります。

また、お母様の場合、後遺障害等級1級1号と認定されておりますので、事故後、家事労働を行うことは困難であると思いますので、休業日数は、事故日から症状固定日までとなります。

⑥傷害慰謝料

傷害慰謝料は、入通院日数を基礎に算定されます。

具体的な金額については、民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準(いわゆる「赤本」)上巻に入通院慰謝料の算定表があります。

⑦逸失利益

(計算方法)
 年収×労働能力喪失率×労働労力喪失期間(平均余命の半分)に対応するライプニッツ係数

お母様の場合、年収については、先ほど述べましたように、同居の家族のために家事労働をしているバイには、女性の平均年収である354万7200円の8割である283万7760円が目安となります。

また、後遺障害等級は第1級なので労働能力喪失率は、100パーセントとなります。

さらに、お母様は64歳なので平均余命は24年となり、その半分の12年に対応するライプニッツ係数は、8.8633となります。

したがって、逸失利益は、
283万7760円×1×8.8633=2515万1918円
となります。

⑧後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料は、後遺障害等級により類型化されており、後遺障害等級1級1号の場合には、2800万円になります。

⑨将来介護費用

後遺障害等級1級が認定され,介護が必要という場合,慰謝料の他に将来の介護費用も損害として請求することができます。

将来介護費用の計算方法は、
(年間の基準値)×(平均余命に対応するライプニッツ係数)となります。

「年間の基準値」は、今後どのように介護を行っていく予定なのか(在宅か施設か,在宅の場合には近親者か職業介護人か)によって変わってきます。

まず,在宅介護で近親者の方が介護を行っていく場合には日額8000円,職業介護人に依頼する場合には実費のうち相当額が将来介護費用の基準となります。

他方,施設介護の場合,施設利用料を損害として請求していくことになります。

なお,将来の介護費用については,在宅かつ職業介護人の場合に,もっとも高額になる傾向にあるといえます。

また、先ほど述べましたように64歳の女性の平均余命は24年であり、これに対応するライプニッツ係数は、13.7986となります。

⑩家屋改造費

在宅介護に伴って必要になる自宅改造費,介護用の器具等購入費,紙おむつ等の雑費などについても相当額については請求できる余地があります。

上記のように損害項目は多岐にわたります。

これらを漏れなく請求し、妥当な賠償額を獲得するためには、専門的な知識が必要となりますので、弁護士に依頼されることをお勧め致します。

この相談を見た人はこちらも見ています

交通事故の弁護士無料相談

交通事故の後遺障害1級~14級・死亡事故のご相談は無料です

交通事故の慰謝料自動計算機