息子(12歳)が交通事故に遭いました。
後遺障害は9級16号、12級13号、併合で8級となりました。
保険会社から損害賠償額の内訳が届きましたが、適正な額となっているのかわからなかったので、相談させていただきました。
後遺障害による損害として、逸失利益が、約1800万円、慰謝料500万円とされています。これは適正な金額なのか、ご判断いただければと思います。
後遺障害の慰謝料については、等級8級の場合ですと、裁判上は830万円が目安となります。
したがって、保険会社の提示している500万円は、300万円程低い金額となってしまっています。
もっとも、逸失利益については、息子様の後遺障害の場合、裁判上は否定されてしまう、又は、かなり低く算定されてしまう可能性が高いですので、注意が必要です。
まず、後遺障害のうち外貌醜状(9級16号)は、(当然、醜状の程度等の個別具体的な事情によりますが)労働能力に影響しないとして逸失利益が否定されてしまうことが多い後遺障害です(なお、逸失利益が否定される場合であっても、代わりに慰謝料が増額される場合があります)。
また、後遺障害のうち神経症状(12級13号)については、痛みは時間の経過とともに薄らいだり慣れるものであるとして、逸失利益の算定期間が10年程度に限定されてしまうのが通常です。
そうすると、息子様は12歳であるとのことですので、将来就労を開始するのが18歳であるとするとすると、その算定期間は22歳までの4年間に限定されてしまう可能性が高く、その場合には、逸失利益は、せいぜい250万円程度にとどまってしまいます。
このように、息子様の後遺障害の場合、裁判上は逸失利益がかなり低額に認定されてしまう可能性が高く、保険会社の逸失利益の提示金額は悪くない数字であると考えられます。
以上のとおり、保険会社の提示金額は、慰謝料については低額にとどまっていますが、トータルで見ればそれ程悪い数字ではないと考えられますので、当該金額で示談することも一つの選択ではないかと存じます。