交通事故の死亡事故・後遺障害被害者の質問に回答
交通事故弁護士相談Q&A|みらい総合法律事務所

自営業者が交通事故に遭って死亡した場合で、確定申告をしていない場合、逸失利益はどのように算定しますか?

2014年08月16日

死亡事故の場合、被害者の遺族は、葬儀料・死亡慰謝料・逸失利益などを請求できますが、ここでは、逸失利益について説明します。

逸失利益とは、交通事故により死亡しなければ将来得られたはずの利益ですが、死亡逸失利益の計算式は下記の通りです。

基礎収入 × (1-生活費控除率) × 就労可能年数に対するライプニッツ係数

自営業者や農林水産業者などの事業所得者の場合、基礎収入は、原則として、事故前年度の確定申告所得額によって算定します。

問題となるのは、確定申告をしていない場合です。

この場合でも、相当の収入があったと認められる場合には、賃金センサスの平均賃金などを参考に認められる場合があります。帳簿、伝票、領収書、通帳等の資料を提出して立証していくことになります。

また、確定申告をしていても、税金対策等のため過少申告をしていた場合に、現実収入額を基礎収入とできるかについてですが、認められない可能性が高いのが実務です。税務署も裁判所もともに国の機関です。一方で自らの納税義務を果たしていないのに、他方で被害を受けた場合にのみ権利を主張するという姿勢は、裁判所は認めない傾向にあります。もし主張したい場合には、修正申告をする必要があるでしょう。

 

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