私の父親が横断歩道を横断中に自動車にはねられました。
診断は脳挫傷で、医師からは、脳幹に損傷がみられるために意識の回復は難しいだろうと言われております。
保険会社から賠償金の提示がありましたが、とても素人に判断できるものではなかったため、弁護士会の無料相談を利用したところ、提示金額では基準より低いため交渉あるいは裁判を行った方がよいとの回答でした。
当方としても裁判を視野に入れて考えておりますので、弁護士さんに依頼して裁判をした場合にかかる費用、期間、当方の負担(やるべきこと)などをご教示ただければと思います。
今回のような重い障害が残る交通事故の裁判をご本人で全て行うことは非常に難しいと思われますが、弁護士に依頼して進めるのであれば、一般の方が思うほど負担はありません。
まず、裁判を起こすと、裁判期日が指定され、期日に裁判所に出廷することになりますが、弁護士に依頼している場合は、弁護士が代理人として裁判所へ出廷しますので、原則として被害者側の方が出廷する必要はありません(もちろん原告となる方ご本人は代理人とともに出廷することもできますし、その他の方でも傍聴することはできます。)。
また訴状や相手の主張に対する反論を記載した準備書面などの書面も、当然のことながら受任した弁護士が作成することになりますので、依頼者の方にはこの負担もありませんが、弁護士は書面作成のために、事実関係を依頼者から聞き取る必要がありますので、適宜弁護士と打合せをすることは必要となります。
なお、原則として依頼者の方は裁判所へ出廷する必要はないとお答えしましたが、事実関係に争いがあり、途中で和解することもできなかった場合(交通事故の裁判では書面による主張、立証が尽くされた段階で、裁判所から和解案が出されることが多いです。)、争われ方によっては証人尋問をする必要があります。
そのため、この場合は、証言する必要があるとされた方は、裁判所へ出廷しなければなりません。
多くは、後遺障害の内容や、事故状況について、被害者の方ご本人が証言しますが、ご本人が証言できない場合、またはほかの方が証言するのに適している場合は、その他の方が証言することもあります。
裁判の期間は、ケースにもよりますが、多くは半年から1年間くらいかかり、毎月1回程度のペースで期日が入ります。
最後に弁護士に依頼して裁判を起こしたときの費用ですが、まず弁護士費用は、各弁護士、法律事務所ごとに基準が異なることが多いため、予めホームページなどで確認し、あとは個別のご相談の際に具体的な見積をだしてもらうと良いでしょう。
その他、裁判を起こす場合、裁判所へ納める印紙代、切手代が別途かかります。
切手代は原告、被告などの当事者によって基準が定められており、多くは6000円~7000円くらいになります。
印紙代は、裁判で請求する金額によってさだめられており、1000万円であれば5万円、5000万円であれば17万円、1億円であれば32万円となっています。
本件では意識の回復は難しいといわれているとのことで、比較的高額の請求になると思われますので、事前に相談した弁護士に確認しておくと良いでしょう。