交通事故の死亡事故・後遺障害被害者の質問に回答
交通事故弁護士相談Q&A|みらい総合法律事務所

交通事故の過失割合は誰が決めますか?

2014年08月18日

私が交差点を青信号で直進していたところ、対向車線から右折しようとしてきた乗用車と衝突しました。

保険会社は、過失割合を20:80と言ってきています。青信号なのでこちらが優先だと思うので過失は0ではないかと思うのですがどうなのでしょう?

そもそも過失割合は誰が決めるものなのでしょうか?知識がないため、教えていただければ助かります。

弁護士からの回答

過失割合は,まずは当事者同士の話し合いで定まり,話し合いで解決しない場合には裁判所が判断することになります。

そして,東京地裁では,東京地裁民事交通訴訟研究会編「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準 全訂5版」(別冊判例タイムズ38号)に記載された事故態様ごとの基本過失割合を参考に,個別の事情に応じて修正要素の有無を検討した上で,過失割合が認定されます。

そこで,上記「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準 全訂5版」をもとに,ご質問の事故態様における過失割合について検討してみたいと思います。

もっとも,直進していた大吉様運転車両が単車か四輪車か不明ですので,単車の場合と四輪車の場合とに分けて,過失割合がどのように認定されるのかをご説明させて頂きます。

①直進車が単車の場合

交差点における右折車と直進車との事故で,単車直進・四輪車右折の場合の基本過失割合は,単車15:四輪車85となります。

ここで,単車の過失がゼロとならないのは,直進車にも前方注視義務違反ないしブレーキ操作不適切等の安全運転義務違反がある場合が想定されており,追突事故や加害者側の信号無視,センターラインオーバーなどを除いては,被害者側においても,事故の原因について何らかの関与が認められているからです。

本件のように青信号で交差点に進入するとしても,反対車線からの右折車がいれば,やはり注意して進入すべきということになりますし,相手が完璧な判断をして右折してくることを信頼してよい,ということにはならないでしょう(もちろん具体的な状況次第では,後述の修正要素によって単車の過失が0になる可能性もあります)。

次に,修正要素としては,四輪車が徐行をしなかった場合や,直進車の至近距離で右折をした場合,右折の合図がなかった場合,早回り右折や大回り右折である場合には,それぞれ単車の過失が10減算されることとなります。

一方で,単車側に15キロメートル以上の速度超過があった場合や,既に四輪車が右折を完了している場合等の単車側に著しい過失や重過失が認められるような場合には,単車の過失が10~20程度増加することとなります。

②直進車が四輪車の場合

交差点における右折車と直進車の事故で,直進四輪車と右折四輪車の衝突の場合の基本過失割合は,直進車20:右折車80となります。

直進車の過失がゼロとならないのは①の場合と同様です。

次に修正要素についても,右折車が徐行をしなかった場合や,直進車の至近距離で右折をした場合,右折の合図がなかった場合,早回り右折や大回り右折である場合には,直進車の過失が5~10減算されることとなります。

一方で,直進車側に15キロメートル以上の速度超過があった場合や,既に右折車が右折を完了している場合等の右折車側に著しい過失や重過失が認められるような場合には,直進車の過失が10~20程度増加することとなります。

以上のとおりとなりますが,相手方保険会社が主張する20:80という過失割合が正しいかどうかについては,実況見分調書等の刑事記録や当時の状況を確認しないと判断することはできません。

上記記録等を準備し,一度弁護士にご相談されることをおすすめいたします。

この相談を見た人はこちらも見ています

交通事故の弁護士無料相談

交通事故の後遺障害1級~14級・死亡事故のご相談は無料です

交通事故の慰謝料自動計算機