交通事故の死亡事故・後遺障害被害者の質問に回答
交通事故弁護士相談Q&A|みらい総合法律事務所

横断歩道以外での歩行者の飛び出し事故

2015年01月21日

以前知り合い(以下Aさん)が体験した事故についてお聞きしたいです。
その交差点はスクランブル式で歩行者信号はすべて赤でした。

Aさんが車を運転していて、右折し、そこは二車線道路でした。
右折してすぐ「徐行」の文字が見えたので徐行で運転していました。

反対車線は赤信号で停止した車が5台ほど止まっていました。

Aさんが右折して20メートルほど進んだところで反対車線で停止している車の間(Aさんから見て右側)から急に人が出てきて、急ブレーキをかけましたが車の右前方部と人がぶつかり、その人は転倒はせず、すこし足が痛そうな顔をしていましたがすぐに車の助手席側に来て「大丈夫だから行っていいよ」と言いました。

Aさんも気が動転し「大丈夫ですか?」と声をかけましたがそのように言われたので、お互いの身分も確認せず、警察も呼ぶことなく別れてしまいました。

Aさんにも小さな事故でもすぐに警察を呼ばなかった過失があると思いますが、おそらく相手も自分が横断歩道の近くの道路(横断歩道から20メートルほど)で安全確認もせず車の間から急に飛び出した後ろめたい気持ちがあったのかもしれません。

このような場合、後日相手が警察に届け出た場合Aさんの賠償やペナルティはどうなるのでしょうか。

弁護士からの回答

交通事故が発生した場合、道路交通法上、被害者の方が怪我をしている場合には救護等の必要な措置を講じなければなりません。
また、被害者の方が怪我をしていない場合であっても、警察に報告する必要があります。

この報告を怠った場合(報告義務違反)には、3月以下又は5万円以下の罰金に処される恐れがあります。

更に、被害者の方が怪我をしていた場合には、仮に「大丈夫」との言葉を信じたとしても、救護措置義務違反(ひき逃げ)として、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金となる可能性がありますし、別途、過失運転致傷罪での処罰を受ける可能性があります。

そのため、Aさんに関しても、被害者の方が警察に届け出た場合、報告義務違反又は救護措置義務違反・過失運転致傷罪として刑事罰を受けてしまう可能性があります。

また、民事上の賠償については、被害者の方が怪我をしていない場合には賠償義務は特に発生しません。

もっとも、被害者の方が怪我をしていた場合には、Aさんは、当然に治療費や慰謝料の賠償義務を負います。

なお、事故の態様からしますと、被害者の方にも過失が認められますが、この点は、賠償額の算定に当たって考慮される(賠償額が過失割合に応じて減額される)にとどまり、賠償義務自体が否定されるわけではありませんので、注意して下さい。

この相談を見た人はこちらも見ています

交通事故の弁護士無料相談

交通事故の後遺障害1級~14級・死亡事故のご相談は無料です

交通事故の慰謝料自動計算機