代車を使用する必要性がある場合には、相当な期間について代車使用料が認められます。
代車を使用する必要性がある場合についてですが、被害車両が、営業車など仕事で使用していた場合には、代車は必要ですので、認められます。
自家用車の場合、通勤に使用していた場合には認められますが、休日に趣味などで利用するにとどまるような場合には、認められない場合もあるでしょう。
代車を使用する際の相当な期間についてですが、修理期間について代車が必要なのは当然ですが、保険会社との交渉が長引いて修理以外にも時間を要した場合、その期間についても代車使用料が認められるでしょうか?
この点、東京地裁平成13年12月26日判決では、保険会社の担当者は、被害者に対して損害賠償額の算定方法について十分かつ丁寧な説明をして、被害者の理解を得るように真摯な努力をすべきであるから、そのために時間を要し、修理に着手する前の交渉等に費やされた期間に代車料が発生したとしても、交渉経過から見て合理的な期間内にとどまる限り、加害者は代車料を支払う責任を負うとしています。
したがって、保険会社の説明内容や交渉経過等から判断して合理的な期間であれば、交渉期間の代車料を支払ってもらうことができます。
ただし、被害者が、車両の修理が可能な場合に、新車または事故前と同等の損傷のない車両への買い替え等を要求するなどして、修理着工の指示が遅れたことに合理的な理由がない場合には、その期間については、代車料の支払いを否定した裁判例もあります。(横浜地裁平成22年12月27日判決)