交通事故の死亡事故・後遺障害被害者の質問に回答
交通事故弁護士相談Q&A|みらい総合法律事務所

交通事故の加害者の会社に慰謝料を請求できるか?

2013年11月25日

交通事故に遭って後遺症が残りましたが、加害者の車には任意保険がついていませんでした。事故は、加害者が仕事中に起きた事故で、車は加害者が勤務していた会社の所有でした。この場合、会社に慰謝料などの損害賠償を請求することができますか?

弁護士からの回答

従業員が交通事故を起こした場合に、被害者は会社に対し、①使用者責任、②運行供用者責任に基づき損害賠償請求をすることができます。

①使用者責任とは、従業員が会社の事業の執行について、第三者に加えた損害を、会社が賠償するというものです。

会社の使用者責任が認められるためには、ⅰ従業員の行為に不法行為責任が認められること、ⅱ会社の事業の執行についてなされた行為であること、が必要です。

なお、上記2つの要件を満たしたとしても、会社が従業員に対する選任及び監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害を生ずべきであったことを立証したときは、会社は免責されますが、右立証は認められにくいので特に気にする必要はないと思います。

本件では、ⅰ従業員が交通事故を起こしているところ、交通事故の加害者に不法行為責任が認められることは当然です。

ⅱまた、本件交通事故は、従業員が仕事中に会社所有の自動車を運転していた際に起きたものですから、会社の事業の執行についてなされた行為であることも明らかです。

したがって、会社に対し、使用者責任に基づき、慰謝料などの損害賠償請求をすることはできます。

次に、②運行供用者責任ですが、運行供用者責任とは、運行供用者がその運行によって他人の生命または身体を害したときに、それによって生じた損害を賠償する責任を負うというものです。

運行供用者とは、「自己のために自動車を運行のように供するもの」をいい、運行供用者にあたるか否かは、自動車の運行について支配を及ぼしているか(運行支配)、運行から利益を得ているか(運行利益)を得ているかで判断されます。

本件では、従業員が仕事中に会社所有の自動車で交通事故を起こしているので、会社に運行支配、及び運行利益は認められます。

したがって、会社に対し、運行供用者責任に基づいて、慰謝料などの損害賠償請求することは認められます。

本件のような事案であれば、いずれの責任も追及することができ、どちらを請求したほうが有利ということもないかと思いますが、、運行供用者責任の場合には、人損の請求に限られ、物損の請求は認められないということに注意が必要です。

この相談を見た人はこちらも見ています

交通事故の弁護士無料相談

交通事故の後遺障害1級~14級・死亡事故のご相談は無料です

交通事故の慰謝料自動計算機