交通事故の死亡事故・後遺障害被害者の質問に回答
交通事故弁護士相談Q&A|みらい総合法律事務所

高齢者の死亡事故の慰謝料計算方法

2013年12月16日

73歳の母が交通事故で死亡しました。

損害賠償額はいくらになりますか?

ちなみに、無職で、夫と2人くらし。

家事をしていました。

弁護士からの回答

お母様がお亡くなりになった件、心からお悔やみ申し上げます。

ご家族が死亡事故にあった場合に請求できる項目は、①治療費、②葬儀関係費用、③慰謝料、④逸失利益、⑤弁護士費用があります。

まず、①治療費ですが、これは治療にかかった実費を請求していくことになります。

次に、②葬儀関係費用ですが、葬儀にかかった費用を請求していくことができるのですが、原則として上限は150万円までです。

もちろん、150万円を下回った場合には、実際に支払った金額を請求することになります。

次に、③慰謝料ですが、実務上では、亡くなった方の類型ごとに金額が決まっており、お亡くなりになった方が、
一家の支柱の場合には、2800万円
母親、配偶者の場合には、2400万円
その他(独身の男女、子供、幼児等)の場合には、2000万円~2200万円
となます。

今回はお亡くなりになったのがお母様とのことなので、上記の類型によれば2400万円が相場なのですが、お亡くなりになった方がご高齢の方ですと、2000万円くらいまで下げられしまう傾向があります。

そのため、今回も慰謝料は2000万円が相当であると考えます。

次に、④逸失利益ですが、逸失利益の計算式は、
基礎収入×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数
となります。

基礎収入については、お母様のように家事労働の方ですと、賃金センサス学歴計全年齢女性労働者平均賃金とするのが原則ですが、ご高齢の方の場合には、学歴計年齢別(70歳以上)女性労働者平均賃金の8割等にされるケースが多いので、
300万4800円×0.8=240万3840円
となります。

生活費控除率というのは、もし生きていれば収入のうち、何割かが生活費として消費されるところ、亡くなったことにより生活費も支出する必要がなくなったため、その分を控除しようというもので、女性の場合には、原則として生活控除率は3割となります(ご高齢の場合には、もう少し高い割合に認定されることもあります。)。

就労可能年数は、ご高齢の方の場合、平均余命の半分とされていますので、73歳の場合には、平均余命は16.79年ですので、その半分の8年(ライプニッツ係数6.4632)になります。

したがって、逸失利益は、
240万3840円×0.7×6.4632=1087万5549円
となります。

なお、もし年金をもたっていれば、年金逸失利益についても別途算定することにはなりますが、 年金の逸失利益の算定方法は、年金額×生活費控除(約5割)×平均余命となります。

次に、⑤弁護士費用は、通常請求額の全額の1割とされています。

したがって、今回請求できる金額は、
150万円(葬儀費用)+2000万円(慰謝料)+1087万5549円(逸失利益)+323万7554円(弁護士費用)=3561万3103円
が賠償額となります。

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