交通事故の死亡事故・後遺障害被害者の質問に回答
交通事故弁護士相談Q&A|みらい総合法律事務所

常時介護と随時介護の違いについて教えてください。

2014年02月19日

同じ診断名でも、等級が違うことがあるようですが、どういうことでしょうか?

というのも、私の兄が交通事故に遭い、高次脳機能障害と医師にいわれたのですが、調べてみると、同じ高次脳機能障害の認定基準でも、「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの」が1級1号で、「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの」の場合が2級1号となっています。

この「常に」「随時」で等級がかわるようなのですが、どいう違いなのでしょうか?

また、等級が1級と2級では損害賠償金額はどのくらい違ってくるのでしょうか?

弁護士からの回答

「常時介護」とは、「身体機能は残存しているが高度の痴呆があるために、生活維持に必要な身の回り動作に全面的介護を要するもの」を意味します。

他方、「随時介護」とは、「著しい判断力の低下や情動の不安定などがあって、1人で外出することができず、日常の生活範囲は自宅内に限定されている。身体動作的には排泄、食事などの活動を行うことができても、生命維持に必要な身辺動作に、家族からの声掛けや看視を欠かすことができないもの」を意味します。

したがって、上記の説明にしたがって、具体的に必要となる介護の内容が「常時介護」と「随時介護」の何れに当てはまるのかが判断されることになります。

実際には、精神症状等についての具体的所見や日常生活動作検査表、日常生活状況報告書、神経心理学的検査結果等を総合考慮して、「常時介護」かあるいは「随時介護」で足りるのかが判断されています。

請求可能な損害賠償額に関しては、後遺障害等級が1級であるか2級であるかによって、慰謝料と将来介護費が変わってきます。

慰謝料については、後遺障害等級が1級の場合には2800万円程度、2級の場合には2370万円程度が目安となっています。

また、将来介護費については、症状固定時の被害者の方の御年齢に応じて総額が大きく変わってきますが、「常時介護」で近親者が介護する場合には、1日につき8000円が1つの目安となります。

もっとも、将来介護費は、裁判上、日常動作に対する介助が必要か、あるいは、看視で足りるのかなど、実際にどの程度の介助が必要であるのかに応じて様々な認定がなされていますので、一概に申し上げることはできません。

この点に関しましては、裁判例の中には、「随時介護」の場合に「常時介護」よりも低額な1日につき2500円ないし3000円程度の介護費用を認定するものもありますので、注意が必要です。

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