交通事故の死亡事故・後遺障害被害者の質問に回答
交通事故弁護士相談Q&A|みらい総合法律事務所

介護費用について(後遺障害1級の逸失利益)

2014年04月23日

現在、姉は54歳で一人暮らしです。仕事はしていません。

2ヵ月ほど前、横断歩道で自動車事故に遭い、脊髄損傷のため下半身麻痺となり、後遺障害第1級と認定されました。そのため、私が介護をしています。

質問は、後遺症の慰謝料についてです。今後の介護の問題もあり、やはり金額が大きい方が現実には助かるのです。しかし、働いていないし一人暮らしの姉のような場合は、逸失利益をどうしても安く見積もられると知人から聞きました。できるだけ金額を多く受け取る方法はありますか?

弁護士からの回答

ご質問のとおり,一人暮らしで働いていないという方の場合,今後就労の蓋然性がない限り逸失利益は認められない可能性が高いと思われます。

そこで,慰謝料についてですが,裁判上は,後遺障害等級ごとに金額に一応の目安が定められており,後遺障害等級1級の場合には,2800万円が基準となっております。

もっとも,上記金額はあくまで目安であり,例えば事故態様が悪質であった場合には,増額の余地があります。

したがって,慰謝料をできるだけ多く受け取るためには,刑事記録を取り寄せる等して事故状況を把握し,慰謝料が増額できるような事由がないか確認するのがよいかと思います。

また,慰謝料は本人分のみ認められるのが原則ですが,重篤な後遺障害の場合,裁判上は,被害者本人分とは別に,近親者の慰謝料も別途認められる傾向にあります。

したがって,被害者本人分の慰謝料とは別に,近親者の方の慰謝料も別途請求することによって,金額を多く受け取ることができるといえます。

次に,ご質問のように,脊髄損傷により後遺障害等級1級が認定され,介護が必要という場合,慰謝料の他に将来の介護費用も損害として請求することができます。

将来の介護費用としていくら請求できるのかについては,今後どのように介護を行っていく予定なのか(在宅か施設か,在宅の場合には近親者か職業介護人か)によって変わってきます。

まず,在宅介護の場合,近親者の方が介護を行っていく場合には日額8000円,職業介護人に依頼する場合には実費のうち相当額が将来介護費用の基準となります。

また,在宅介護に伴って必要になる費用も請求の余地があります(自宅改造費,介護用の器具等購入費,紙おむつ等の雑費など)。

他方,施設介護の場合,施設利用料を損害として請求していくことになります。

なお,将来の介護費用については,在宅かつ職業介護人の場合に,もっとも高額になる傾向にあるといえます。

この相談を見た人はこちらも見ています

交通事故の弁護士無料相談

交通事故の後遺障害1級~14級・死亡事故のご相談は無料です

交通事故の慰謝料自動計算機