遺贈の担保責任(相続法改正)
改正相続法で、遺贈の担保責任の法的性質が明確になりました。
担保責任とは、贈与契約や売買契約の譲渡人等が、その目的物を十全な状態で譲受人等に移転することを担保する責任のことです。
改正前は、この担保責任が債務不履行責任なのか、法定の責任なのかについて見解が分かれていましたが、改正により、債務不履行責任であることが明確化されました。
その結果、遺贈義務者は、遺贈の目的である物または権利を、相続開始の時の状態で引き渡し、または移転する義務を負うこととされました。
ただし、遺言者が、その遺言にこれとは異なる意思表示をしたときは、その意思表示に従うことになります(民法第998条)。
この制度は、2019年7月1日より施行されますが、施行日より前にされた遺贈については、適用されません(附則第7条1項)