今回は、過去に提出した申告書を見たい場合の閲覧サービスについてです。
新規受託をした場合に、過去の申告書がない、というケースもあると思います。
そのような場合には、過去に提出した申告書を確認する必要がある場合があります。
その場合の方法としては、
・申告書等閲覧サービス
・個人情報保護法による開示請求
の2つがあります。
今回は、申告書等閲覧サービスについてです。
閲覧申請できるのは、納税者等及びその代理人です。
・所得税及び復興特別所得税申告書
・法人税及び地方法人税申告書、復興特別法人税申告書
・消費税及び地方消費税申告書
・相続税申告書
・贈与税申告書
・酒税納税申告書
・間接諸税に係る申告書
・各種の申請書、請求書、届出書及び報告書等
・納税者が上記の申告書等に添付して提出した書類
但し、相続税申告書について、他の相続人の提出した申告書を閲覧するには、当該相続人による閲覧申請あるいは委任状が必要になります。
つまり、閲覧申請をした人の該当箇所しか閲覧することはできない、ということです。
詳細は、以下をご確認ください。
申告書等閲覧サービスの実施について(事務運営指針)
https://www.nta.go.jp/law/jimu-unei/sonota/050301/01.htm
では、他の相続人の提出した相続税申告を、裁判所を通して開示請求できるか、ですが、これも難しいです。
福岡高裁宮崎支部平成28年5月26日決定は、遺産分割調停事件において、相続税申告書等の文書提出命令の申立てについて、当該文書は、その記載内容が、「その提出により公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるもの」(民事訴訟法220条4号ロ)に該当するとして文書提出命令の申立てが却下されています。